みんな大好きアウトフレーズ。サラリとキメるのだ。フフフ。
スケールアウト①
さて、一発目は鍵盤ならではの、4度和声を等間隔で駆け上がり作戦です。たしかハンコック先生がやってたのを参考にしたんだっけかなあ。

『枯葉』なんかでソロが回ってきた冒頭でいきなりこれをやると、ウケます(客に、では無くバンドメンバーに)。
パラレルなんとか的なアプローチになるんでしょうが、名前なんかどうでもよろしいのだ。
スケールアウト②
実際のセッション中に、
『ここのDm7はサブドミでスケールはこれを使って次のG7は…いやいやここはもーだるいんたーなんとかでうらこーどがどーしたこーした…』
などと考えながら演奏する事はありません(…ンなことしてたらとっくに自分のソロ時間が終わってしまう)。
そこで今回は実にカンタンで、どこでも使えるスケールアウトフレーズを。
まずⅡm7でルート音スタートのペンタを4音(Cm7ならド、ミ♭、ファ、ソ)、次のⅤ7(G7)でさっきの隣の音(レ)からメジャーペンタを4音(レ、ミ、ファ♯、ラ)、これだけです。
another youで試してみましょう。

カンタンでしょ?勝負は一瞬です。
このブログで、選択した音の裏付けや、そのスケールを選んだ理由を説明しないのはその為です。
瞬発力を高めるため、音使いをできるだけ簡素化して、まるまる憶える!
スケールアウトに限らず、それがアドリブのコツです。
スケールアウト③
前回のカンタン一瞬アウトを拡張したものがコレです。

アウトした4音(レ、ミ、ファ♯、ラ)をきっかけに、そのままDのメジャーペンタを上がります。
(レ、ミ、ファ♯、ラ)、(ミ、ファ♯、ラ、シ、…)、(ファ♯、ラ、シ、レ〜)、
最後のレはB♭M7のコードトーンなので、そのままロングトーンで解決しちゃってます。これもカンタンなアウトフレーズですね。
スケールアウト④

本田竹広先生のフレーズだったと思います。
ⅡⅤⅠの全てにわたり、ひとつのアウトフレーズとして完結してます。
アヴェイラブルノートスケールからアウトとなるスケールに移行した、
と言うより、最初から最後までクロマチックな展開ですね。
『スケールアウト②』『スケールアウト③』に続いて、『スケールアウト④』でホップステップジャンプの完了です。
④は長いので、ひとつふたつのキーで練習して、いつの日かワンチャン狙いで発動させるタイプのアウトですかね。
スケールアウト⑤
アウトの魅力は一瞬の浮遊感。だけど浮いたままではいられません。
最後は必ず地上に戻りましょう。ラピュタの住人とて同じです。
ドミナントからトニックに解決するタイミングで戻って来るのが一般的ですかね。
…あ、でもこんな例もあります。

辺りはトニックに解決してるのに、本筋を外したまま頂上めがけて駆け上がるようなアウト。
頂上まで続く秘密のほら穴でも発見したのか?
でも最後はコードトーンに着地成功。
一件落着。
スケールアウト⑥


Fm一発のコード上で、Em(Eドリアン)を挟む、よくあるアウト方法ですが、
Eドリアンパートが短いバージョンと長いバージョンです。
たぶんこれ以上長すぎるとアウト感が薄れてきます。
おそらくアウトした方の調性(この場合はEm)に耳が慣れてしまうからでしょう。
ただ、この方法でのアウトは、アウト特有の浮遊感とか調子外れ感と言うより、
なんだか都会的な大人のアプローチですね。
うーむ…テンポとか弾き方に拠るのかなあ。なんかムード歌謡的だなあ…。
『いやいや、このアダルト風味がいいんだよ』と言うかた、お手元のスイッチON。
スケールアウト⑦
今回は少し抽象的な内容です。
まずこちらをお聴き下さい。お馴染み『another you』の冒頭です。
①

B♭mE7A♭上でEのマイナーペンタを使ってアウトする、まあよくある方法です。
ではこちらはどうでしょう?コードは同じです。
②

一拍早くアウトする②は、アウトフレーズが小節の区切りより前倒しで入って来ます。
つまり、②の方が『お行儀が悪い』です。
だけど、スケールアウト界に於いてはこちらの方がカッチョいいですね。
自由奔放感とか型破り感的な効果ですかね。アウトって破天荒っぽいスからねえ…。
逆を言うと、お行儀の良いJAZZって魅力が無いかもなあ。